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tenjuu99(天重誠二) | @tenjuu99@pleroma.tenjuu.net

読書、プログラミング、登山、ランニング、美術など
いろいろ雑につぶやいていますが、最近は浮世絵について調べています

「血税」って徴兵のことだったのか

サルデーニャ王国への帰属意識を根こそぎにしてフランスのために戦うことを求められたが、フランスはその時、義務徴兵制を「血税」impôt du sang と呼んだ。 徴兵制 https://www.y-history.net/appendix/wh1103_1-072.html

フランスのブルジョワ革命はこうした立身出世主義を持たなかったんじゃないかと思うんだけど(詳しく知らない)、そこが違いなのかな。幕末から明治にかけての立身出世主義は、どうみても現代日本の自己責任論の源流になっている。

千葉周作の道場の隣に儒学者の道場があって人的交流があり、坂本龍馬などの下級武士がそこで育ち維新の重要な流れを作った、みたいなのは最近ぜんぜん関係ないところで見たな。神田出身の絵師(明治期)の経歴を調べていたときにそういうことを知った。神田周辺には維新後もその風があり、その絵師も職人出身だけど立身出世の気風で育っている。

ちなみに、幕末に剣術使いが山ほど現れるのは下級武士の人口が増えて跡継ぎになれない若者がチャンスを求めて道場に入るからであり、教育熱の一種である。また、富裕な平民層からも武士への身分上昇(養子または取り立て)を狙って武士的な素養を身に付けようとする人が多く出てくる。

僕は尊王攘夷思想も国学派のネットワーク、つまり富農、豪商層と下級武士のネットワークから生まれたと考えている。その背景にあるのは商品経済、家内制手工業の勃興とそれに伴う人口増加の結果としての教育熱。

(人口増加の件を編集で追記。ここからもわかるように、このプロセスは18世紀のおわりごろから、50年くらいかけて起こっている)

実力を誰が行使したのかという点を除くと、明治維新はブルジョワ革命だったと思っている。資金もかなり商人から出てるし、革命後の政体が絶対主義を結びつくのもブルジョワ革命のおなじみの光景である。

江戸期のでかい改革はいずれも発達しつつある経済に伴う腐敗とそれに対抗する封建的秩序の反動という印象があり、最終的な明治維新がなぜブルジョワ革命でなかったのかよくわからない

吉原のような管理売春施設を軍事慰安施設と結びつけようとしてしまう人たちがいるけど、筋違いだとおもう。江戸期には武士=軍人は買春を必要としていたわけではなく、「軍人には買春が必要だ」という悪質な観念がでてきたのは明治時代だとおもう。

江戸期の売春で問題なのはやっぱり吉原ではなくて岡場所みたいな不法売春施設だよな。

@on1000mark https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%85%AC%E7%95%8C
このへんが重要そうだなとおもいはじめ、網野善彦『無縁・公界・楽』を読みはじめました

ちんどん屋の本まだちゃんと読んでないのだが、ちんどん屋やってる人でデモに積極的に参加する人はけっこういるらしく、そこらへんのことも書かれているらしい。まあデモとちんどん屋では鳴らしかたも鳴らす目的も大きく異なるけども、少なくとも延長線上にある実践ともいえそう

「ちんどん屋の音は、街路(ストリート)が社会的な関係や実践や想像が作り出す、常に混成的でダイナミックな空間であるということの歴史的連続性を指し示している。ちんどん屋は、特定のパフォーマンスの場を生み出す諸力に柔軟な即興を通じて同調する。その実践は、明確に存在していながらも触知しがたい情緒や力や関係こそが、実は日常の街路の都市空間を構成しているのだ、ということを、音を通じてあらわにする。」 p.10〜11

「ちんどん屋は、都市の社会的つながりの情動的相互関係に対応するため、特別な聴覚的感性とパフォーマンスの方策を養う。この感受性と戦略こそが、彼らの生業なのだ。」 p.10

これも芸能民と無秩序みたいな関係で理解できそうな気がする

出雲阿国のかぶき、「ちんどん屋」の起源なんだ。温マさんくわしそう。
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%81%E3%83%B3%E3%83%89%E3%83%B3%E5%B1%8B

武家政権が700年くらい続いて、それは明確に家父長制の発展だけど、江戸時代というかたぶん刀狩によって身分制度の固定化が決定的になるので、幕府としてはアナーキーな世界を残しておくことができない。芸能の場が「悪所」であるのは秩序壊乱が発生するからだけど、徳川幕府的にはコントロールされた無秩序である。これ日本の近代以降の芸術にとって無縁な話ではない、近代以降の前衛も「コントロールされた無秩序」ではないのか。真の無秩序はさまざまな仕方において検閲され弾圧される。

近代的な家父長制がヤバいとおもっていたんだけど、江戸期は、室町末期のおんなかぶきみたいな芸能+売春集団を弾圧して、男の芸能(歌舞伎)と女の遊廓に分離するという政策をとっていて、このへんにかなり強固な家父長制の推進が見える。かぶき等の芸能を秩序壊乱の因子と見做して(アナーキー志向な集団の弾圧?)、女性を封建的秩序に位置付けた結果が遊廓なんだろうな。
というあたりについて書かれていそうな本を知りたい。

読了。問題はあるにせよ、入門としてはわかりやすく良い本だった。

芳年の月百姿がほしいけど、なかなか安価なものはでてこないなぁ

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