これはDICに対して「物言う株主」として行動するファンド(アクティビスト)の中の人の記事だけど、いろんな意味で興味深い。 https://ethicalboardroom.com/from-polar-bears-to-penguins/
アジア全域で、少数株主は経営陣や株主同士を引き合わせるための発言力を見出している。 低いバリュエーションと最適とは言えないバランスシートに誘惑されたとはいえ、コーポレート・ガバナンスの不備、インサイダー取締役会、同族またはグループ支配の株主構造、頻発する企業スキャンダル、透明性の欠如などの理由から、アクティビストは長い間アジアを避けてきた。
で、これがアベノミクス以降にアクティビストたちが日本含むアジア市場で積極的な展開を見せ、コーポレートガバナンスや株主利益の改善提案を含む活動をしている。DICはこの流れでアクティビストに眼をつけられた。
この記事はいろんな観点から興味深いけど、まず記事のタイトルは元米海軍の提督が「ボリウッドからハリウッドまで、ホッキョクグマからペンギンまで」と発言したことに由来する。途中で2007年のスティール・パートナーズによるブルドックソースの敵対的買収の事件について記述があり、このTOBでスティール・パートナーズ側は「東京でブルドッグの経営陣に会ったとき、彼は日本の経営者たちにアメリカ式の資本主義について「教育」し「啓蒙」するつもりだと言った」。
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%96%E3%83%AB%E3%83%89%E3%83%83%E3%82%AF%E3%82%BD%E3%83%BC%E3%82%B9%E4%BA%8B%E4%BB%B6
このブルドックソース事件は敵対的買収に対抗した株式戦略をとったのが、最高裁で合法と認められ買収には失敗したのだけど、この記事ではアクティビストの前例として語られている。これは、アメリカ型資本主義による経済的な植民地主義であるように見える。
この記事の記述によれば、アベノミクスというのはまさにこの海外資本の受け入れによって、こうしたアクティビストファンドの活動を積極にし、株主にとっての企業価値の向上を目指す改革だ。金融ビッグバン以降の流れだとはおもうけど。
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%96%E3%83%AB%E3%83%89%E3%83%83%E3%82%AF%E3%82%BD%E3%83%BC%E3%82%B9%E4%BA%8B%E4%BB%B6
このブルドックソース事件は敵対的買収に対抗した株式戦略をとったのが、最高裁で合法と認められ買収には失敗したのだけど、この記事ではアクティビストの前例として語られている。これは、アメリカ型資本主義による経済的な植民地主義であるように見える。
この記事の記述によれば、アベノミクスというのはまさにこの海外資本の受け入れによって、こうしたアクティビストファンドの活動を積極にし、株主にとっての企業価値の向上を目指す改革だ。金融ビッグバン以降の流れだとはおもうけど。
日本のブリジストンでもポーラでもいいけど、事業に成功した事業家は美術作品を収集して私立美術館を作る流れがあった。この流れってたぶん明治くらいからあった話で、節税というのもあるけど、たぶん地元の名士的な名誉心もあるし、事業家が自分たちは事業の稼ぎは単なる金儲けだけでなく社会を作っていく行為なんだぞみたいな表明でもあったとおもう。川村記念美術館が佐倉にあるのもそれで、別に美術館建設による事業収益なんて求めていなくて儲かったぶんを社会還元しとこうというものだと思っている(超金持ちになると金だけもっていても仕方ない)。
で、こういう地元の名士的な活動としての美術館建設が、海外のファンドからすれば何の意味があんのって話がたぶん今回の件じゃないかとおもう。
で、こういう地元の名士的な活動としての美術館建設が、海外のファンドからすれば何の意味があんのって話がたぶん今回の件じゃないかとおもう。
アクティビストファンドは、一族経営みたいなのを敵視して経営合理化を進めようとするのだけど、それが「日本の経営者たちにアメリカ式の資本主義について「教育」し「啓蒙」する」ことでもある。一族経営という形態は、彼らからすれば、資本主義の遅れた地域の経営形態である。
日本の美術館を支えてきたのは一族経営と税金。もっとも、それ以外の形態がどれだけあるかわからないけど。
日本の美術館を支えてきたのは一族経営と税金。もっとも、それ以外の形態がどれだけあるかわからないけど。