J-STAGE Articles - トランスサイエンス概念をつくりなおす https://doi.org/10.4216/jpssj.54.1_85-1
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科学技術社会論の旗手であるジャサノフは、社会構成主義の立場からトランスサイエンス概念を検討したことがある(Jasanoff, 1987)。彼女の指摘の要点は、科学技術をめぐる論争にトランスサイエンス概念が導入されることで、科学の領域とラベル付けされた事柄については科学者の特権が維持され、トランスサイエンスの領域とされた事柄については政策に関係するアクターが権利を得るということである。つまり、科学の境界をめぐる言説が、アクター間の権力配分や利害調整として機能しているというのだ。