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「美術史かじってれば生成AIのやることなんて過去あった写真からの写実主義の衰退とほんと同じなのはすぐわかる」というの見たけど、この解像度の理解がいちばん好きじゃないんだよなぁ。「写実主義」がなにを指しているのか不明だし。「写真の登場」と「写実主義の衰退」が因果関係で結ばれるというのは問題を単純化しすぎていて、そんなことないやろっていくらでも言えてしまう。印象派は写実主義じゃないのか、とか、ジェロームという画家が印象派と同世代にいまして、とか。

発言主が「写実主義」だと思っているのは、実際にはアカデミズムのことだとおもうんだけど、フランスアカデミズムの後退と写真の登場とのあいだに因果関係があるとしたら、肖像画制作の需要の後退だろうけど、この場合でも市場の変化こそがキーになっているわけで、発言主が考えるほど単純ではない。
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まあ、この発言主の発言の背後にあるのはあきらかに技術進歩史観で、歴史の天使を吹きとばしている暴風とおなじものですよね。こういう解像度の歴史理解が、「技術の進歩」という神話を支えている。

ああ、ていうか生成AIとイラストの関係を「理解」しようとするのに、過去の写真と絵画の関係を引き合いに出してしまうのは、マクルーハンが言うバックミラー効果の変則的な事例だな。