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グリーンバーグの重要性は、メディウムスペシフィシティとかフォーマリズムではなくて、当時のアメリカ美術の状況において、ただのモノとしか見えないものと美術の区別がつかなくなったことに対して、「美術と美術ではないものの区別はどのように可能になるか」を問うことができた唯一の人(たぶん)だったからである。グリーンバーグがダダの問題から出発しているからそういう問いになるんだとおもうけど、そこに「メディウムの固有性」とかいうフィクションを作りだしてしまったのは間違いだってフリードにも批判されている。
フリードはこの問いをより洗練させて、モノがモノではない状態を達成するための諸条件を検討することになり、これが近代芸術の真の特性だとするんだけど、それは秩序が成立する条件とはなにかという問いだと言いなおしてもいいとおもう。
この問いがアメリカ60〜70年代の美術状況において成立するのはわかるが、2000年代の日本の美術の状況で考えるのはやはりズレているようにはおもっており(つまり自分の感性はまるごとズレていたんだけど)、問いを変換したり洗練したりしないといけないという気はする。
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