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マティスという人、19世紀的な「自然」という概念から決定的な離脱を果たした人で、彼なしに20世紀芸術がありえないくらいだとおもうけど、それがどのようにして起こったかがわからない。当時のあり方からして、あまりに急進的すぎる。
「どのようにして」と問うこともおかしいのかもしれないけど...。

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じゃあといって、19世紀の画家たちは「再現(representation)」をしていたのかというと、ぜんぜんそんなことはない。セザンヌもゴッホもロダンもそうだけど、自然に内在する生成力を発見し、その生成力から絵画や彫刻を生みだそうとしていた。

マティスがやっているのはまったくそういうことではない。というかマティス解釈を通じて、19世紀の絵画は representation だという了解ができあがった(実際にはキュビスムの解釈を通じてだろうけど、キュビスムに内在していた諸問題はほとんど初期のマティスに見られるとおもう)。19世紀芸術の「自然」概念が了解しづらいのは、20世紀芸術の(漠然とした)理解を通じて「19世紀画家たちは再現representationしていた」という了解があるからだとおもう。絵画がなにかを represent するという概念は20世紀にあらわれた概念だろう。