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西洋美術研究 no.20の田中正之「近現代美術への社会史的アプローチ」と河本真理「美術史学/フェミニズム/ポストコロニアリズムのインターフェース」を読んだ。
河本さんの論考はフェミニズム美術史の流れが手堅くまとめられていてよかった。田中さんの論考はT.J.クラークの詳しい紹介といってよく、いろいろ勉強になったんだけど、マティス展のカタログにあったアラステア・ライトの論考はほぼT.J.クラークの議論を敷衍するものなんだな。
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阿部成樹「様式と歴史」もよかった。美術史が文化人類学と軌を一にして、作品の集合的な特性の記述として様式という観念が発達してきたが、作品を詳細に分析していけばそういう集合的な特性は裏切られていく。人類学がいくつかの概念を仮構して、たとえば「部族」という概念を固定化することで対象化することができたのと同じ構造が美術史学にも作用している。そういう枠組みのなかでは個別性は排除される必要がある。
シャピロの様式論読んだことあった気がしたが読みなおす必要がありそう。