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しばらく下書きのまま放置されていたけど、「君たちはどう生きるか」の感想を書きました
https://blog.tenjuu.net/2023/09/07/君たちはどう生きるか
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@tenjuu99

読みました。大伯父が天皇のメタファーだというのは、本当にそう思います。積み木がかんたんにくずれてしまうのも、この国の権威の儚さや脆さを象徴している気がします。

くわえて、家父長制も描いているというご意見にも賛成ですが、夏子が家父長制における「母」という役割を拒絶しているようには読めませんでした…。

夏子の眞人への台詞「あなたなんか大嫌い」は眞人を大伯父の権力や、インコ=日本軍の暴虐?から守護し、禁忌の産屋へ入れさせまいという、彼女の「母」としての強い意志を示しているとおもいます。

@tenjuu99

眞人は大伯父の謎の塔を継ぐのをやめて、夏子を俗物なる?父のもとに連れ帰りました。最後の弟も加わった玄関の1コマをみると、家族は崩壊しているのではなく、再生しているようすです。ただ、それが家父長制の再生産とまでいえるかは分かりませんが…

@gon_gitsune 家族の崩壊はしていないです。眞人・夏子・勝一で家族を形成することが、予定調和として描かれた(つまり冒頭に危機と克服が予告される)というのは、宮崎駿のこれまでの物語文法を踏襲しています。危機は一時的なもので最終的には大団円で終わる。「風立ちぬ」と「風の谷のナウシカ」(コミック)を除けばだいたいこのパターンで作られていますが、本作は、一見大団円でおわりつつ、まったく解決されず宙吊りのままにされている諸問題が残るような仕掛けになっているとおもいます。自分の理解では、「君たちはどう生きるか」というタイトルの利用は、鑑賞者にそのような未消化な残余部分を生煮えのまま手渡しているとおもっています。
自分の記事は、解決されなかった問題から、自分の関心にしたがって映画の予定調和性を見ていったときの解釈で、物語内整合性はそんなに考えていなですね。作品そのものが、寓意的表現とドラマ的な作りのパッチワークでもあり、一つの整合的な解釈がみつかるような作りではないともおもっており、表現の(おそらく)意図的な曖昧さとパッチワークの縫合箇所からはいくつかの解釈が成立するようになっているだろうとおもいます。