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美術館を潰す・縮小するような経営状況ではない(儲かっている)のに、縮小を議論しているのは、ファンドが主張するように「資本効率が悪い」からなんだろうけど、そんなもの取締役会が無視すればいいだけの話で(香港のファンドの株保有率は8.5%くらい)、それを無視しないというのは、そもそも会社が真面目に運営する気がないから以外にたぶんない。香港のファンドの提言は渡りに舟なんだろう。
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今年のはじめのほうに(たぶん香港のファンドの口出しで)価値共創なんたらを作って、これが将来的な利益設計を考えるという体裁なんだけど、ほぼ美術館をどうするかという議論をしているらしい。で、この価値共創なんたらの構成員はなにかっていうとDICの社外取締役のメンバーが中心で、美術の専門化なんていない。外部の専門家を招くとは書いてあったけ、提言の内容は美術館の縮小・東京への移転、もしくは運用をやめる、というもので、とても専門家が提案する内容とおもえない。経緯を追ってみれば、やっぱり経営陣は売りたいように見える。いつ景気が本格的な後退期にはいるかは不明でそうなればあがりにあがった美術品の価格もどうなるかはわかったものではなく、価値の高いうちにあせって売ろうとしているようにしか見えない。

この価値共創なんたらの提案のなかに、たとえばアート事業を利用したDICの海外向けブランディングの提案とか一切なく、「移転+縮小 OR 運営停止」の結論しかなかった。価値共創委員会とかいうものふつうに考えて会社のブランディングをするものだとおもうけど、それがアートを利用したブランディングの提案ゼロで縮小か閉鎖かと議論している時点で、会社としては美術館事業にはほぼ興味がなさそうである。

美術館やコレクションというリソースの再利用の提案、世界に眼をむければいくらでも事例はあるはずだけど、それが検討の俎上にも上がっていないところを見ると、議論している人たちが「専門家」ではないことは自明だし、そういう事例を集める気もない。だからもう売り時を探しているということでしかないと判断している。全部売ればいいよ。