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現代美術(1935)
この号は歴史画とかについての寄稿が多い
現代美術社の出版した「現代美術」という雑誌。1935年発行。右下に猫の写真がある。

この歴史画特集、かなりおもしろい。
1935年というのでどのくらいイデオロギーに毒されているのか興味があり、とくに鏑木清方のテキストが読みたかったのだけど、書き手がだいたい国粋主義イデオロギーに警戒していて、鏑木清方も歴史画がかかえうるイデオロギー的性格にかなり警戒している。
とはいえ、現代から見ると当時の画家たちの限界もあきらかではあり、その限界がどこから来ているかといえばやはり日本画という枠組みそのものにあったりする(これはあきらかに1980年代以降の目線で見ている言い方なのだけど)。
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掲載されていた豊田豊の論考がおもしろい。画家の系譜を誰の門からは誰がでた、とかで系譜づけていくんだけど、こういうのはもう現代ではほぼできないし、西洋美術史にもない。アルフレッド・バーJr.のつくったチャートとかが近いんだけど、あれは影響関係であって師弟関係ではない。影響関係の論証ってけっこうめんどくさそうなんだけど、師弟関係におけるある主題や様式の発展というのはある意味自明視されているし、画家たちがそもそも個人を出発点にしていないから、当人たちもほとんど反対する理由がない。