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関野吉晴がいかに偉大な教育者だったかというのは、美術業界に対して語っておく必要があることな気がする。

関野さんが当時やっていたことは真の教育だった。
大学に入ったときに彼がやっていたプロジェクト、南洋ルートで日本列島に人が入ってきたことを検証するプロジェクトだけど、舟を作るための斧を作る、そのために砂鉄を集めるというところから学生とやっていた。自分はバイトおわった深夜に学校にタタラを踏みにいって、朝までタタラを踏んでいた。それでできた鉄で斧をつくって、舟になる樹を切り刳り貫いて舟を作る。しかもこれも学校のカリキュラムとしてやっていたわけでもなんでもない。
絵具をつかったらすべてレディメイドなんだとリヒターが言ったニヒリズムのちょうど反対で、モノをつくる過程を一から辿りなおすことをやっていて、現代アートの流れなんかまじで無関係だった。
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