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天野知香『装飾と「他者」』はおもしろいんだけど、概念的な検討が過剰でうーんってなる。概念的な性格は読みにくさにもつながっていて、どこに向けられたテキストなのかもわかりづらいなと思う。この主題で歴史を探求しているひとを他に知らないから、貴重な書ではあるのだけど。

植民地主義、ジェンダー、他者となるともっと政治的であっていいとおもうんだけど、批判対象がはっきりしないまま脱構築を主張していて、それがずいぶん観念的に見える。近代において「装飾」が植民地と女性に割り当てられてきた、とする論点は歴史研究としてかなり卓抜だとおもうだけになんかもったいないと感じてしまう(なにさま)。
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まあそうはいっても「装飾」という概念についてかなり眼を開かれる本だ。