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「世界史的立場と日本」読みおわった。現代の視点からすると圧倒的に空虚な座談会というより他ないけど、ここから重要な意味を取り出すのは現在の自分にはまだ難しい。成立の背景含めてさまざまなことを知る必要がある。
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いろいろわからないことがありつつも、「近代の超克」含めて読んでよかった。今日(というか昨日)見てきた近美の常設展でも、戦前・戦中の言語を知ることでかなり見え方が変わった。
梅原龍三郎の長安街とか、ふつうにきれいな絵なんだけど、これは1940年の制作で、満州事変から数年たってなお日中の紛争状態はなにも解決していないなかで、ただきれいな風景として長安を描く、という無自覚さは、かなりいろいろなことを語っている。帝国主義の眼差しって、まあ支配者然とした振る舞いよりこういうところに現れる。
https://www.momat.go.jp/collection/o00564

梅原の絵の隣に配置されていたのが香月泰男の「水鏡」だけど、これが1942年で、この絵には梅原の絵のような抜ける視線は一切ない。少年は水面を覗きこむが、彼が何を見ているかはこちらには見えない。この絵は、なにかを表象することをわざわざ拒絶している。梅原が、長安を表象でしかないものとして扱う一方で、香月は絵画がなにかを表象することを拒絶する。出兵する人間とそうでない人間で、見えているものがあまりに違いすぎる。
https://www.momat.go.jp/collection/o01054
https://search.artmuseums.go.jp/gazou.php?id=5261&edaban=1