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都美館でやっている「ずれはからずもぶれ」は「移民」をテーマにした展示で、かなり良かったので、見に行ける人はぜひ(入場無料)。
在日韓国人3世で韓国人と結婚して韓国に移住したハ・ジョンナムさんの作品は、和紙と韓紙を重ねた切り紙で、日本語とハングルを配置している。ご本人の説明を聞けておもしろかったけど、日本で習得した韓国語が向こうではかなり訛りがあるように聞こえるというか、教材の作られた時代が古いままで、北朝鮮の語彙に聞こえてしまうようである。「ずれはからずもぶれ」という展示の題をよく表している。
近藤愛助さんの作品は、明治期にアメリカにわたり戦時中は収容所に入れられていた曾祖父についてのもの。曽祖父が撮影した写真をもとに彼が辿った場所を巡る。収容所跡地にはなにもない。「黄禍論」の系譜を整理した映像も、先日から「イエローモンキー」表象が気になっている自分としてはかなりクリティカルなものだった。
ほかにも、ドンバス戦争で帰れなくなった青年(帰ると徴兵されるため)に、自宅のVRを作り体験してもらうアリサ・ベルゲルの作品や、ガザの分離壁や38度線にある海を撮影したイシャイ・ガルバッシュの作品など、どれをとってもいま見る意義があるものでした。

https://zure.baexong.net/index-jpn.html

だいたい会場に誰かいるはずなので、行った人はぜひ解説を聞いてほしい
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なんというか、「植民地主義の反省」みたいな文脈ではなく、現にある土地でマイノリティとなる立場の人たちが制作したもので、作品の表面だけ見てもたぶんわからないことが多く、それで説明できるように現地に人を置いているのだとおもう。揺さぶられる展示でした。