https://note.com/ryushokanbook/n/ne1956cb7164a
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@tenjuu99 流通コストを書店の利益率を下げることで捻出する、というところが問題、と読みました。これでは書店ももたないと思いますので…
確かに、取次が悪い、というよりは、書籍の価格が固定であるために、出版社と取次と書店が、実際には可変の流通コストを組み込みつつ、決まった枠の中で利益を配分する、という構造が問題なのだとは思いますが、取次が配分の決定に事実上大きな権限を持っているために、書店からすれば、取次が悪者に見える、ということではないでしょうか。
現状では書店も取次も業態縮小せざるをえず、そのなかで書店から取次を非難しているのが悲しいなとおもいました(出版社だけはわりと安泰っぽい気がしますが...)。
@tenjuu99 ありがとうございます。ご指摘の通りかと思います。
補足するとすれば、日本の取次は雑誌の全国流通を基礎にして発展したので、定期的に物量のある雑誌のついでに単行本を運ぶことでコストを圧縮していたのが、雑誌が売れなくなったことで、回らなくなってきている、という側面もあるように思いました。
また、書店の経営が厳しくなったのも、雑誌を中心とした、地域の中小企業・自営業の定期購読契約が失われていったことも大きいのではないかと思っています。書店の経営における法人営業の側面はなかなか外からは見えないので、推測でしかないのですが。
もう一つ、書店側からすれば、取次が書店グループを次々子会社化していることの影響もあるのかもしれません。もともと、対等な交渉が困難な相手が、自分で小売まで手掛けるようになっているわけで、書店側からすると、なかなか難しい状況のように感じます。
かといって、取次を責めれば何とかなるかというと、そういうわけでもないと思いますので、何とも「悲しい」というのは同意です。
参考)トーハングループ
https://www.tohan.jp/about/group.html
> 雑誌を中心とした、地域の中小企業・自営業の定期購読契約が失われていったことも大きいのではないかと思っています
こちらはなるほどとおもいました。
最近前田愛『近代読者の誕生』や永嶺重敏『〈読書国民〉の誕生』などを読み、書物や雑誌が織り成すネットワークがどのように発達してきたかに関心がありましたが、本がメディアというのみでなく本屋もまたメディアであり、情報のハブとして機能していた。大学図書館や研究室を相手に洋書の卸をやっていた方が知り合いにいますが、その方は知識人のネットワークのハブになっている人で、地方の本屋にもそういう機能はありそうですね。その人は図書館の購入費が減ったため厳しいと言っていました。
こういうネットワークが消滅しつつあるのは、取次が横暴よりアマゾンの台頭がおおきいとはおもいますが、書店側から見ると本を介した人間どうしのネットワークのほうが見えてくるだけに、自分のように衰退は理の当然ではないかなどといってしまうのも、ちょっと問題あるおもいました。note の記事はAmazonへの怒りをぶつけるべきではないかとはおもいますが...。
@tenjuu99 少し古い記事ですが、英国の取次(ホールセラー)による独立系書店サポートの事例も参照いただくと良いかもしれません。
ただこれができるのは英国では再販制的な価格固定の仕組みが崩壊したから、というのもあるので、単純比較はできないのですが…
英国出版事情 (2/3)「本のショーウインドー」と化した書店の危機(DOT Place)
http://dotplace.jp/archives/27003