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「(アーティストは)そこまで考えてないと思う」が擁護になると思っている人がチラホラいるのなんなんだと思っていたが、もしかしてこれは意図や悪気がなければいい、みたいな理屈の延長にある思考か。

「そこまで考えてない」ってなんだよ、そこまで考えてないようなものを好きで聴いてるのかよ……って素朴に受け取ってしまってマジで最初よくわからなかった。

@_yonatsu ああいうのって「ゆえに「そこまで考えてない」自分を肯定する」というふうになってて、自分のアバターとしてアーティストを利用する振る舞いだと思うんすよ

@ttt_cellule ああ、たしかに本人たちがそのように言っているわけでもないのに……アーティストに仮託しているような印象は受けますね。「そんなこと言われたって知らないよ!」っていう。

@_yonatsu アーティストを称えるようでありながら、単にイデオロギーを通すための方便にしている人って本当に多くて、「作家がこう言ってるから」でファンダム内を自治する仕草と一体化してるんですよね。
でも、その行為は実際には、作家をリスペクトする体でありながら、とことん馬鹿にする振る舞いにもなっているという。

@_yonatsu 「素朴さ」の口実としてのアーティスト像を求める人は多く、さらにはアーティスト自身がそのイメージをなぞる循環もあるので、ますますファンダムと作家がともに「これが正しいんだ」と信念を強化するエコシステムを作りがちに。

@ttt_cellule 「表現の自由」界隈にも繋がるような話ですね。たかが「表現」なんだから、という言い方がそのままそれを貶める物言いになってしまっている(場合によっては作家もそれに乗っかる)し。

@_yonatsu 必ずしも政治的イシューに限らなくて、なんていうか、「作家なんだから実存しか引き出しがなくて大丈夫でしょ」「実存にとって知はよそよそしいし、何なら成功の邪魔になる」みたいな素朴実感を強化しまくる路線もありますね。そしてこの沼地において、自己啓発っぽい言説と制作ノウハウと心得集っぽいTIPSがぐるぐる回る。

@ttt_cellule たしかにその辺りは音楽活動をしているなかで身の回りで見聞きした具体的な話をいくつかすぐに思い出すほど、よくありますね……。

@_yonatsu その沼地は、関連書籍であれネット言説であれ、ビジネス書の持ってる構造(言説の吟味や整理、歴史的位置付けも振り返りもないから、賽の河原状態で質が低いまま車輪の再発明が繰り返される。そして主に成功した偉人を称えたり英雄主義に陥る)と同型という印象ですね。

他方、クリエイター向け指南言説の再生産の拠点は美大、音大、映画学部、文学部クリエイティブライティングなどの作家訓練・養成課程だと思いますね。脚本術とかデッサン術、創作指南はそれらの転用みたいなものですし。

@_yonatsu このへんのメタ分析でおもろいのはブルデュー系の芸術社会学(音楽関連もある)かなあ。この論文なんかがざっと読みやすかったですよ。

この論文読んで、ジェイソン・トインビー『ポピュラー音楽をつくる ミュージシャン・創造性・制度』おもろそうやん、と思ったまま積んでますが・・

https://da.lib.kobe-u.ac.jp/da/kernel/81011071/

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@ttt_cellule 今この論文ちょろちょろ読んでみてますが、面白そうですね。自分に直接関係ありそうで全然通ってこなかったところですが(ブルデューとかは特に)、いい機会なので掘り下げてみたいです。

@_yonatsu VTuber論のときに松浦知也さんが指摘してた論点(このへん https://social.matsuuratomoya.com/@tomoya/112477093952869933 )は、この論文で挙がってるベッカーとかに関連するやつですね [参照]

@ttt_cellule なるほどこの辺の話に繋がってくるわけですね……

@_yonatsu あっ、このへんを勉強してる強みを発揮してるな!と即思いましたねw