本日の朝日新聞投書欄に興味深い投書があったので、引用したい。投稿者は中学生(14歳)のため名前は伏せておく。
へーそういう風に思うんだーと。この中学生レベルのオトナは結構多そうだ。
「トランプ米大統領の就任演説を聞いた。性別を男女二つに限るなど極端さもあったが、フェアと思う点もあった。肌の色にとらわれない能力主義を築くという点だ。
米国で働く親戚の会社では、採用や昇進に人種や性別による人数枠があり、努力していて実力が伴っていても悔しい思いをする人がたくさんいたという。多様性を求めた結果、働く人の能力と肩書が釣り合わず、不平等が生じる事態となっていたそうだ。学習環境など、経済格差による子どもの機会の不平等の是正には十分予算を回すべきだ。ただ、こうした本末転倒の状況を正すには、トランプ大統領の実行力が必要なのだろう。
日本の若者も人ごとではない。最近は日本の大学にもアジア圏からの留学生がたくさんいて、卒業後は日本で就職することが多いそうだ。米系企業で働く父からも、優秀な彼らの話をよく聞く。多言語を使い、専門分野の知識が豊富でガッツもある。大人になったらそんな人たちと働くことになるのだ。受け身ではなく視野を広く持ち、積極的に様々な人と切磋琢磨(せっさたくま)できるよう、私も頑張りたい。」
核心的には「多様性を求めた結果、働く人の能力と肩書が釣り合わず、不平等が生じる事態」というあたりだろう。
「悪平等主義」論の古典的な論法をなぞっているとも言えるが、では「能力」とはいったい何なのか・それはどのように形成されるのかについて、だんだん考えていってほしいものだ。
「平等」と「公正」との関係とかいろいろむつかしいことも考えてみよう。
例えばこういうあたり。三原順「はみだしっ子」より(白泉社文庫版5巻261頁)

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