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宿泊先で「(琵琶湖にある)竹生島のパンフレットはありますか?」聞いたところ、「パンフレットを探してみたけど無くて…これでしたら」と、60年前の『竹生島』の謡本(能のシナリオ)を渡されたのが度肝を抜かされた。
時代を超越しすぎていて、皮肉抜きにちょっと感動すらしてしまったな。
本当にここには飛ぶ鳥と蝉と湖しかない。良い湖畔だ。

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湖北の菅浦集落。天皇に供える食物を献上する贄人が定着した集落であり、周辺の大浦集落と激しく対立するなど、かつては部外者の出入りを拒絶していたが、1970年代に道路が開通すると中世の雰囲気を残す集落として有名になったらしい。琵琶湖北部の小さな岬の奥に入らないと行くことが出来ず、地形は異なるが新潟〜長野にかけての秋山郷と似た場所だった。

白洲正子の『かくれ里』にも書かれていたが、確かにひっそりとした隠れ里の趣のある集落で、釣り客も集落の中までは入ってこず、観光目的なのは自分一人だけのようだった。
素晴らしい。

https://www.instagram.com/p/Cv30tX-Lwxd/?igshid=MzRlODBiNWFlZA==

菅浦集落はここです。すごい場所にある。

竹生島。日本三大弁財天(竹生島、江の島、厳島)の一つであり、能の演目にもなるくらい古い歴史のある島。特に意識していなかったが、これで日本三大弁財天を制覇してしまった。
島内には弁財天や龍神や様々な寺社が祀られており、謂れはよく分からないが子犬も飼われていて、良い意味でカオスな雰囲気が漂う。とはいえ、神社とお寺以外はお土産コーナーが少しだけあるばかりで、基本的には信仰の島という雰囲気がある。

あと、宝物殿に見事な弁財天像があったのが良かった。弁財天の頭の上には、鳥居と宇賀神(老翁の頭に、トグロを巻いた蛇の身体を持つ謎の福神)が飾られていて、少し肩が凝りそうではある。
この宇賀神は、山本ひろ子の『異神 中世日本の秘教的世界』でも取り扱われており、要は神仏習合の流れで出来上がった謎の神ということらしい。まあ、国によっては邪神と思われても仕方のないくらい、インパクトのある見た目だ。こういうよく分からない日本の神を調べるのは楽しい。

https://www.instagram.com/p/Cv47oBsvzH4/?igshid=MzRlODBiNWFlZA==

ちなみに、竹生島は菅浦集落の目と鼻の先にある。面白い地形の島だなと思う。

これ関連でヤフオクで「竹生島 謡本」で検索したら、ヤフオクアプリから「竹生島 謡本」を手に入れよう!みたいな通知が定期的に来るようになって困っている。