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最近は愛国心、経済と並んで、「哲学は男性支配主義者の最後の隠れ家」みたいになってきてるよなあ…、と永井均氏の話を読んで思う。

世界、または自我は幻想であるという話をすると、正義を主張する人を非難することが簡単にできるように見えるので、自分が不正義の方に追いやられつつあると思う人には都合がいい。

そして、この手の世界や自我に対する疑問は古代インド哲学に豊富にあるので、初期仏教からそっちに行く人は多い(それはニーチェとかの思考経路に表面的に似てると思う)。

ただ、僕には、その種のスタンスは「なぜ釈迦は殺生と盗みと不倫を禁じたのか」という疑問に答えていないように見える。すべてを相対化するということで良いのなら、そんな正義は要らないはずなのだ。そちらにも走るな、というのが初期仏教の重大なポイントで、それは古代インド哲学へのアンチテーゼとしてあるのではないかと思う。

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